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私たちの学びの理論と目標について

個性・多様性を大事にするグローバル社会で生きていく知の力と技を!

アメリカの子どもたちの読み書き能力を向上させる教育方法の研究でベストセラーとなったFisher, Frey, & Akhavan, This is Balanced Literacy, Grades K-6 (Corwin, 2019) は、英語の学習法としてアメリカ国外でも評価の高い書物です。

そこでは――

教師が児童・生徒に技能を教え見本を示す〈一斉指導〉

教師がサポートしながら子どもたちが助言し合い技能に習熟していく〈小グループ指導〉

一人ひとりが自分で本を選んで読みつづける〈ひとり読み〉

――この3つを組み合わせた授業が最も効果的であることを論じています。

https://us.corwin.com/en-us/nam/this-is-balanced-literacy-grades-k-6/book266872#description

英語は自分の意見を述べることを、前提的に当然視した言語だとよく言われます。たしかにそのとおりですが、自己主張だけでは独りよがりになり、学びは伸びません。いろいろな意見・見方をもった者どうしによる➁の〈小グループ活動〉で、たがいの意見を比べたり組み合わせたりして意見を進化させ、新たな発見を生んでいく楽しさがあってこそ、思考力やコミュニケーション力は伸びていきます。そしてその成長・成功体験があってこそ、➀の〈一斉指導〉での先生のお手本をもっと吸収し、➂の〈ひとり読み〉の自習で自分の関心をさらに伸ばしていこうとする、〈やる気〉がはぐくまれるものと考えられます。また、このような学びと成長の先に、他の人の自分にはない見方や良いところを認め、ひるがえって自分の個性や考えも大切に育てていく、バランスのとれた人格形成や、ちがいを認め励ましあえる多元的な世界観、ひいては民主主義やインクルーシブ(少数者を排除しない包摂的)な社会づくりへの取り組みがつながることも、期待できます。

日本の学校や一般的な塾・予備校では、➀一斉授業・➂ひとり読みはあっても、➁小グループ学習が圧倒的に不足しています。➀➂だけの方が、教えるほうは楽でしょうし、➁の活動を入れることは、経費や人手の面で難しいのかもしれません。

〈日英YOMI・TAIアカデミック教室〉では、➀一斉指導と➁グループ活動をすぐに切り替えられるオンライン会議システム(Zoom)をベースに授業を組み立てることで、バランスのとれた読み書き能力をやしないます。入門クラスに始まって、論理的思考力・コミュニケーション力・協調性をそなえた知性を一歩ずつ育んでいくことで――たとえば高校生の場合なら1~1年半の後には――高度に学問的=アカデミックな文章も読みといて、生徒どうしで自分の個性と創造力を発揮しあえるレベルへと、いざないます。

私たちの教室は語学力・読解力を上げることだけを目標にするものではありません。近代以降の日本社会の各方面で定着してきた、画一的なマニュアルに従った暗記型の孤立学習から、学問的で創造的な、個性を伸ばす学びへ子どもたちを導くこと、そして国際共通語としての英語の習得をとおして、グローバルな世界で多様性を楽しみながら知的に生きていく力と技を身につけてもらうこと――これこそが私たちの目標です。

私たちの教室の教材担当者は上記の➀➁➂を組み合わせた授業を大学で15年ほど積み重ね、高等教育で開発・実践してきました(その初期的なモデルは次を参照。鷲田清一など「座談会 知のプロセスは共有されるか」『Interface Humanities』7、大阪大学 21 世紀プログラム「インターフェイスの人文学」事務局、2006年)。初等教育についてのフィッシャーたちの教育方法は、私たちの方法と異なる点がありますが、わかりやすい参照例として紹介しました。なお、フィッシャーとフレイが上述の著書に教育方法をまとめる前の旧著は日本語訳されています。吉田新一郎訳『「学びの責任」は誰にあるのか:「責任の移行モデル」で授業が変わる』新評論、2017年。

より詳しい情報は、以下をご覧いただけましたら幸いです。

▶︎本教室 学びの3本柱 —論理的思考力・英書多読・討論—

▶︎これまでの日本の英語教育の問題点

​▶︎英語多読ガイド

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