本教室の学びの3つの柱ついて
本教室の学びの3つの柱
〈速読・要約・創造〉の能力
いま世界は、英語を共通語として緊密につながりあい、IT(情報通信)とAI(人工知能)の発展によって引っぱられ、大きな変化をとげつつあります。その中で、これからの社会・入試ではどの分野でも、英語をつかって次の3つの能力――〈速読・要約・創造〉の力――をつけることが求められるようになっています。
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大量の情報を速く、正確に読みとく 速読
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未解決の課題の問題の本質を見抜いたり、対立の中心点を見つける 要約
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他の取り組みを参考にしながら理論を軸に解決策を組み立てたり、新たに問いを立てる 創造
しかし、みなさんは学校で〈速読・要約・創造〉の方法やスキル(技術)を教わったことがあるでしょうか? おそらく、ほとんどの人がないと思います。〈速読・要約・創造〉といった作業は、日本語の言語文化の中では、ほとんど発達してこなかったものだからです。
もともと〈速読・要約・創造〉は、論理的な考え方・思考法を土台にして発達してきた能力やスキルです。その論理的な思考法とは、英語などのヨーロッパ言語の文章・会話にふかく浸透した言語文化、言語感覚なのです。英語でコミュニケーションをする人たちが、息をするように、いつもたがいに使っているものであり、それが英語使用者の増大とともに、グローバル社会で生きる上での必要な教養として世界に普及していったものです。
ですから、英語をまなぶことが現代に生きる私たちに欠かせないものなのだとしたら、英語学習のステップの中に、〈速読・要約・創造〉を身につけるための論理的思考法を組み込んで、あわせて学びを進めること、これがとても重要になります。
日英2言語での〈速読・要約・創造〉力
本教室では、英語をその論理的思考法とあわせて、基礎から学びなおします。いわば、〈英語+論理〉という学びの方法をとります。
そうすれば、なにより英語をつかっている人たちが、どのように人と意見を交わしたり、議論や文章を組み立てて、創造に取り組んでいるか――つまり、そもそも何のために本を読んだり討論をしているのかが、理解できるようになります。そしてその主目的に納得がいけば、それに合わせて、速読や要約のスキルも、とても簡単に身につけられるようになります。
逆に、日本語を軸にして、これまで日本の学校や塾、予備校が教えてきたように、英語を日本語に訳し、置き換えながら理解していく伝統的な英語学習法を続けていっても、日本語ベースの思考法ではなじみにくい〈速読・要約・創造〉の能力は身につきにくく、また、英語の語感もコミュニケーションも、理解するのがとても難しくなってしまいます。
本教室の学びの3本柱
本教室では、独自に開発した、非常に簡単な英文の速読・要約法を紹介します。そうして英語の文章を読み解く作業をとおして、論理的思考とはどういうものなのかの感覚をつかみ、まず英語での〈速読・要約・創造〉のスキルを身につけます。そしてその中で、日本語での〈思考力・読解力・表現力〉(新学習指導要領の目標)もあわせて向上させていく学習プログラムを組み立て、実施しています。
これは日本の家庭や学校、社会にくらす多くの人びとが、協調性や勤勉な暗記学習などの能力を身につけていることを否定するものではありません。中高生や大学生には日本の教育が得意とする暗記学習をそれぞれの学校で続けてもらいながら、そこにプラスして、現代のグローバル社会で必須になった能力を本教室で加えてもらうことで、長所と個性を伸ばしていこうとする、学びのアップデートであると考えています。
本教室での学びは、3本柱からなります。
第1の柱は、答えのまだない問題にもとりくんでいける、強靭な➀論理的思考力をきたえることです。
本教室の学びは、まず母語として身についた日本語を、英語のように分解したり組み合わせたりする〈ことばブロックあそび〉からスタートします。幼児がカードや知育玩具をつかって日本語をおぼえるように、パソコン上のマインドマップをつかって、英語のように論理的にことば・文章を組み立てる思考法を、言語感覚の基盤から習得しなおします。
その上で、英語で発達した論理学・修辞学・読解法のレッスンをとおして代表的な思考の型をおぼえ、型をつかいながら〈考える力〉をやしないます。
第2の柱は、日常生活の一部として➁英語の本を多読する習慣を身につけることです。
2020年以降の新型コロナウイルスによるパンデミックは、世界中で学びの機会をおびやかしました。しかしその対策の必要もあり、もっとも進んだ質の高い英語学習プログラムに、各家庭のパソコンやスマホからでも、オンラインでアクセスできるようになりました。本教室では、英語圏で最古の大学で、各種の大学ランキング(教育力部門も含む)で世界第1位に選ばれているオックスフォード大学が提供する多読教材読み放題プラン、Oxford Reading Club(略称 ORC。月額990円)をつかった勉強法・読書プランをサポートしています。これにより、
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忘れやすい活字上の(日本語中心の)暗記でなく、画像・オーディオ・クイズで単語をおぼえ
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〈聞く・読む・書く・しゃべる〉が一体になった、レベル別教材で英語の本を多読でき
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英語を(日本語訳せず)英語のまま読んで理解する〈英語脳〉を自分の頭にそだてる
といった、以前なら数年間留学しなければできなかった学習がどこでも可能になりました。そして英語の本を英語のまま多読・速読することで、
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日本語の思考法にはなじみにくい論理的思考を、より簡単に理解・体得できるようになり
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世界の先人たちがどのように自由な発想をふくらませ、開発やブレークスルーを実現してきたか、創造力のお手本を読書で追体験し、自分の中にストックすることができます。
ただし、英書の多読はひとりでは続けにくく、ORCの教材も活用法を工夫する必要があります。そのためくわしくは、別のページ「英書多読のすすめ」にジャンプしてください。
最後に、➁の多読で得た知識・情報を、➀の論理的思考力をつかって自分の意見に組み立て、多様な考えをもった人たちと話しあいブラッシュアップしていく、➂討論の経験を積むことです。本教室では、オンライン上の無料マインドマップ・アプリをつかい、異なる意見・見方を組み合わせて新たなアイデア・解決策を見つけだす、ディスカッション中心の授業を、週1回のペースでつづけていきます。
以上のように、本の読み方・まとめ方の技術を教え、日常的に英語の本を多読する方法をサポートし、その上で、授業では意見を出しあい、学問研究の多彩な理論・分析・解決法を吸収しながら、それぞれの個性を伸ばしていく――これが最新の学習ツールを活用したグローバル標準の学び方であると考え、自信をもって新しい学びに参加することをおすすめしています。
これまでの日本の英語教育の問題点
日本の英語力ランク低下がとまらない
2022年、世界最大の英語能力調査EF EPIの国別ランキング(非英語圏112カ国・地域)で、日本はとうとう80位にまで順位を落としました。5段階で下から2番目の「低い能力レベル」であり、もはや先進国どころか、多くの発展途上国よりも低い位置です。肩を並べるのは貧困や戦乱に苦しめられている国、鎖国状態の国ばかりです。
https://www.efjapan.co.jp/epi/
このEFが調査する英語能力は、生産性やイノベーション(新たな価値の創造)などと深い相関関係があると評価されています。かつて世界で1、2位を争う技術力をほこった経済大国は、グローバルな交流が緊密化する中で、急速に能力と評価を下げる結果になっています。
とくに目立つのは25歳以下で世界平均を大きく下回り、「非常に低い」とされることです。25歳までの若者といえば、英語を実社会よりも学校で学んでいる側面が強い人々です。つまり大学をふくむ学校での教育が、グローバル社会の動きとかけ離れ、「非常に低い」ものとなっていることが、強く示唆されています。
どうして、こんなに差がついてしまったのでしょうか?
英語学習を小学校からスタートした効果は?
世界の英語力ランキングで日本が異様なほど急速に順位を落としていったのは、グローバル化の深まりの中で、世界の非英語圏の国々が英語教育に力を入れるようになり、英語力調査に参加する国の数も増えていった結果といえます。しかしこの期間、日本でも追い抜かれるのをただ黙って見ていたわけではありません。むしろ、先のEF EPIのランキングで急降下しはじめた2011年から、小学校でも英語教育を始める、早期スタートという大きな改革が取り組まれました。
2011年には、英語に触れる機会をもうける「外国語活動」が小学5・6年生でスタートしました。2018年からはさらに早期化し、多くの小学校で「外国語活動」が3年生でスタート、また成績をつける教科としての英語授業が5年生から始まりました(2020年から全国で全面実施)。しかしこれによって事態が改善されるかというと、見通しはよくありません。
というのも、一部の小学校ではこれより先に、1年生から英語学習を始めていましたが、国立教育政策研究所による大規模な調査研究の結果は、むしろ日本の英語教育の問題点を浮き彫りにさせているからです。
英語教育の早期スタートは、「外国語への慣れ親しみ」や「コミュニケーションへの積極性」を大きな目的としていました。しかし児童にたいするアンケ
https://www.nier.go.jp/05_kenkyu_seika/pdf_seika/h28a/syocyu-5-1_a.pdf
ート調査の結果、英語が好きと答えた割合は1年生で7割を占めていたのが、学年が上がるごとに減っていき、6年生では36%にまで半減していました。
また、「もし,あなたに外国の人が話しかけてきたら,あなたはどうすると思いますか」という質問にたいして「英語で受け答えをする」と答えた児童は、1年生では64%いたのが、6年生では51%に減り、半数の児童は日本語で答えるか、黙るか、逃げるといった答えを選びました。
日本の英語教育は、文法や単語の暗記と、ネイティブのようにしゃべることを目標にしたスピーキングにもっとも重点を置いてきました。しかしそうした暗記学習はやればやるほどつまらなくなりやすく、またスピーキングもやればやるほどネイティブのようにしゃべれないことに劣等感やコンプレックスをもちやすくなる傾向があります。英語の学習はつまらなく、英語をしゃべるのも苦手だという人を多く生み出してきた日本の英語教育の特徴は、早期スタートという改革をへても、何も変わっていないことが調査結果からうかがわれました。むしろ幼い時期から苦手意識をもってしまうことで英語から逃げようとする児童生徒が増えるのではないかという懸念があります。先のEF EPIのランキング急降下は、そうした心配を裏付けているかのようで、恐ろしくもあります。
ほんとうは、アメリカやイギリスのネイティブ・スピーカーとは当然ちがうアジアの非母語話者の英語であってまったく問題はなく、文法や単語のつかい方が十分でなくても、世界各地の人の考え方や文化を知り、英語をつかって話しあうことの面白さや創造の可能性を体感するのが、いちばんの英語学習の方法であり、学習意欲を高めることにつながると考えられます。
読書量が少なすぎる & 本の読み方を教えてもらえない
もちろん、日本の学校・塾・予備校が得意とし、日々生徒たちが学んでいる暗記学習は、大事な学びの基盤となるものです。しかしグローバル化、IT革命につづき、AI技術が急速に発展・普及している現代では、暗記よりも活用、答えのない課題にとりくむ創造力こそが価値を生みます。また、アメリカなどのネイティブの真似をしようとするのでなく、それぞれの国や地域の課題にたいして、それぞれ独自の個性を活かし、特徴をふまえて解決に取り組むことが、グローバル社会に貢献し、世界の多様性を尊重する、よりよいあり方だと考えられています。
そうした創造力や個性を伸ばしていく基盤として、世界で重視されているのは昔から変わらず、いまも読書です。ただし読書の質と量、読み方の工夫の面では、大きな変化が起こり、読書法も飛躍的に進化しています。その中で日本と世界とでは、子どもの時からの読書量が圧倒的にちがってしまっているのです。
たとえばアメリカでは、小学校でも「明日までに50ページ読んでくること」といった宿題が出されます。いろいろな分野の本を読んで自分で発表し、対話やディスカッションで考えを深め、自分に合ったテーマを見つけ、好奇心や個性を伸ばしていきます。こうしたアクティブな学びと成長のツールとして、全教科にわたって読書は非常に重視され、読書法もデジタル化され発達しています。
ところが日本では、教育のデジタル化は学校では進まず、大手の塾・予備校がデジタル教材を活用するばあいでも、答えの決まった暗記勉強の効率アップを主目的としています。結果として暗記学習は楽になりつつありますが、そこから子どもたちが深い関心や向学心をもつことは、かえって難しくなってもいます。
もっとも重要な創造性を伸ばすための学びは、大学生になって、やっと取り組みが始められるままです。しかし日本の大学では、本の読み方や英文の速読・要約法を、論理学や修辞学に即して体系的・実践的に教わることは、ほぼありません。日本の大学教員のほとんどは、ある分野の専門家であっても、論理学や修辞学、幅広い分野にわたる教育法などを教わっておらず、教え方もしらないのが実情です。
日本の大学生が学ばない & 学べない問題
その結果、自分自身の問題意識や探究心とかかわりなく暗記学習をしてきた日本の若者たちは、大学に入って自由な学習の時間が増えると、ほとんど勉強しなくなってしまいます。授業外の自習時間は週5時間以下が多数で、文系は1日30分、理系は1日1時間が平均です。
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/chousa/1421136.htm
世界の大学生は週10時間以上がふつうで、留学先として目ざすようなハイレベルの大学では、学生が寝る間を惜しんで週20時間以上、学問研究に打ち込んでいるのと、対照的です。
自由に何でも、いくらでも学ぶことができる高等教育の段階で、学力を上げ知性や教養を身につける機会を逃してしまったら、急速かつ多様な時代
の変化についていけなくなるのは必然です。日本の大学進学率は5割を超えていますが、先に見たEF EPIの調査で18~25歳の英語力が「非常に低い」とされている現実は、「大学に入るまで」と「入ってから」の学びのあり方に根本的な変革が必要であることを告げています。< >日本では高度経済成長期以降、大学入学までは学びの基礎の暗記学習に集中し、大学では受験勉強から解放されて数年間自由に見聞をひろめ(遊び)、やがて就活や資格試験の暗記学習にもどり、就職してから実際的な勉強や訓練をはじめるという学びのサイクルが長年つづいてきました。しかし、➀ITやAIの発達によって、記憶に定着しにくい暗記学習に頼るよりも、自由に創造力を伸ばす方法をベースにした方が生産性やイノベーションに効率的に結びつき、なにより楽しく持続性がある学びが可能になってきました。また、➁雇用の多様化・流動化により、就職してから実際的な学びや訓練を受けて能力を上げられるような人は、ごく一部に限られるようになりました。
英書多読ガイド
別ページ「これまでの日本の英語教育の問題点」をふまえ、本教室では「学びの3つの柱」で紹介した方法で学びを進めていきますが、ここでは英語の本を多読する学習方法とそのサポートについて説明します。
英語圏で最古の大学で、各種の大学ランキング(教育力部門も含む)で世界第1位に選ばれているオックスフォード大学は、コロナ禍による学びの機会の制限と、デジタル教育の発展・普及を背景として、2022年から、英語学習の多読教材読み放題プラン、Oxford Reading Club(略称 ORC)を、個人向けにもスタートさせました(月額990円)。。
https://kyodonewsprwire.jp/release/202203017973
レベル別に分けられた英語多読教材は、他の出版社も出していますが、ORCの良さは
< >長年グローバルに使われてきた英語学習のスタンダードであること幼児~生徒むけの英語学習だけでなく、中高生の他教科の学習にも活用でき、大人の学習者も楽しめる、本としての質の高さがあることスタンダードであるために、個人むけ読み放題プランが低価格で可能になったことhttps://drive.google.com/file/d/1grKBfZieU95-gmqRnJBA47C7VZOyUDJk/view?usp=share_link
➀ 訳さずに読む〈英語脳〉をそだてる
まずはログインしてレベルチェックテストをしましょう。幼児や小学生の児童は、このテスト結果で出てくるおすすめにしたがって、子どもむけの絵本から始めるのがよいでしょう。英米のネイティブの学び方と一緒です。幼児・児童のORCの利用例は、つぎのサイトなどが参考になります。
https://kodomotoeigo.com/gsalibrary/
しかし、あるていど日本の学校英語をまなんで、単語や文法の暗記がすんだ人たちには、絵本や童話は内容が幼すぎるので、別の方法の工夫が必要です。
おすすめは――
Happy Readers:面白くてためになるイラスト満載のストーリーブック 42冊
のレベル3~4あたり以上から、関心のある本を選んで読みはじめることです。ここで音声を聴き発音もしながら、英文を英語のまま考えて読む〈英語脳〉を自分の頭の中にそだてる練習をはじめてください。
日本語に訳したり置き換えたりしながら読んだら、日本語で理解し記憶してしまうのでダメです! 英語をエンジンにして目や口、身ぶりも英語的に動く、英語の脳と体を、日本語で動く脳にプラスして、もう1つつくるイメージです(本に出てくる登場人物を自分で演じる感じで読み・発音するとよいでしょう)。つい日本語訳したくなる誘惑を、簡単な文章から乗りこえることがテーマの、特殊な読書だと考えてください。
本のつかい方は5ステップあり、ステップ1のウォームアップは単語練習で、もう知っているばあいは省略OK。ステップ2は絵を見ながら聴くだけなので、これもスキップOK。ステップ3は聴きながら読み、ステップ4は文の発音チェック、ステップ5はクイズで、これらはやっていきましょう。
毎日の多読時間を30分~1時間とってもらえれば、1日1冊、聴きながら読むこと(ステップ3)ができるでしょう。1冊終えられると達成感があり、励みになります。そして次の日かその日のうちにステップ4・5をクリアできるでしょう。その上で、次の日にでも1回は自分で発音して読みとおすと、〈英語脳〉を自分の頭にそだてることにつながります。
内容については、子どもむけのシリーズですが、最後のレベル6になると環境問題や障がい者を排除しないインクルーシブ教育、宇宙などをテーマにしたものもあり、大人が読んでも楽しいシリーズです。
また、
Read with Phinnie:イギリスの旧植民地香港の作家が参加し、アジアを意識した英語初学教材 58冊
もPrimary4あたりからは、内容がよく、おすすめです。
この〈英語脳〉をそだてる練習を、上の2シリーズの他にも、もっと続けたいばあいは、
Oxford Reading Tree:イギリスの約8割の小学校で使われている「国語」デジタル教材 297冊
も、レベル7あたりからは内容の幼さが減るので、中高生・大人でも〈英語脳〉練習の材料に使えます。
➁ 他教科の学習もしたり、読書を楽しむ
つぎに文章の中身の知的レベルを上げていきましょう(ここからはページ数も増えるので、読み終えてから音読しなおさなくてもよく、また、何日かに分けて読んでいくのもよいでしょう)。
Oxford Read and Discover:英語学習を通じて他教科も学べるノンフィクション 58冊 CEFR:A1~B1
は、中高生にとくにおすすめ! 理科・社会や副教科を英語で勉強することになり、幅広い分野の単語を覚えることもでき、入試や英語能力試験対策にもなります。留学を目ざす人にはよいでしょう。
とはいえ、中高生の教科書のようで、基礎知識の暗記的な内容ともいえます。それではつまらない、もっと深い内容があるほうがいい大学生・社会人などは、Oxford Read and Discoverではなく――
Dominoes:充実したアクティビティと臨場感あふれるドラマ仕立てのオーディオが魅力のフルカラーのリーダーシリーズ 86冊 CEFR:A1~B1
に進むのがよいでしょう。映画やドラマのように、もっとも面白くつくられているシリーズで、気晴らしにもなります。英語での読書を楽しみたい人――ですから暗記勉強に疲れた中高生にも、もちろんおすすめです。
なお、本の英語レベルの選択は、すこし難しいと感じるものにとりくむのが適切です。
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英語レベルは1冊ごとにCEFR(セファール:ヨーロッパ言語共通参照枠)で示されています。CEFRのA1は英検3級、B1は準1~2級、C1は1級ていどです。https://drive.google.com/file/d/1hryL6v5lbb6JHq_TEpftH2BmGq9Zcxfi/view?usp=share_link
➂ 古典文学やノンフィクションへ
そしてここまできたら――
Oxford Bookworms Library:現代フィクションから古典文学、ミステリー、ノンフィクション、世界各国の短編まで、様々なジャンルのストーリーを揃える良質なリーダーシリーズ 187冊 CEFR:A1~C1+
に進みます。ORCのもっとも充実したコンテンツで、ここでレベルを上げていってクリアしたら、もうふつうの英書を楽しむところまできています。
対訳が見たいばあい
ORCの本には日本語訳はありません。DominoesやBookwormsに進んで内容が複雑だったり深くなったりしてきて、日本語訳を確認しながら慣れていきたいばあいは、DominoesとBookwormsにはシャーロック・ホームズのシリーズが多く含まれており、ホームズ作品はすべて次のサイトで原文と対訳が横並びで読めるようになっているので、これを参照しながら読むとよいでしょう。
https://freeenglish.jp/holmes/
< >ただしOxford Reading Clubでの書名と原書のタイトルは違っていますので、事件に関する脇役の登場人物名でネット検索するなどして原書のタイトルを見つける必要があります。なおDominoesの入門レベルにある「The Dying Detective」の原タイトルは「瀕死の探偵」、「The Top-Secret Plans」は「ブルースパーティントン設計書」で、ともに短編集『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』に収録されています。
リーディング発表会
ORCのサイトでは、毎月の読書量・学習時間などをまとめたマンスリーレポートを確認することができ、PDFで発行することもできます。
なお、ORCは1アカウントにつき最大2台のデバイスを同時に登録可能で、ご家族で利用することもできます。そのばあい、読書量などのデータは1アカウントごとの合計になることにご留意ください。
英書多読はひとりでは続けにくく、また読むインプットだけでなくアウトプットもぜひ必要なので、ORCを利用されている方の都合のあう時期の月初めに、ズームのミーティングを設定し、リーディング発表会を開催したいと思います。授業とは別で(授業料なし)、だれでも参加自由。前月に読んだ本でよかった1冊を選んで、「なぜ・どのように」よかったか3分ほどで発表し、読書体験を共有し、意見交換する機会にできたらと考えています。
お声掛けいたしますので、ぜひ積極的に参加ください。